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ダークネス・エボルヴのカード《死を追う者》を考察してみたいと思います。
絵がとても綺麗で、個人的に好みです。手に持っているのはボーガンでしょうか。進化の前後で青を基調としたトーンから金を基調としたものに変化するのも、宝石感があって綺麗です。
そんな彼女は何を追っているのでしょうか……?
死を追うとは……?
疑問は永遠に謎に包まれます。
……さて、世界観や絵の考察はここまでにして、カード能力についてみていきたいと思います。
目次
ステータス
3コスト 進化前2/3 進化後4/5 フォロワー ブロンズレア
他のフォロワーが進化するたび、自分の墓場を+2する。
墓場2の価値は?
まずはじめに、墓場+2がどれくらいすごいことなのか考えてみます。
ネクロマンサークラスでは、墓場を消費(いわゆるネクロマンス)して強力な効果を得ます。このときのレートとしては、ネクロマンス1=墓場1となります。
それでは、主なネクロマンス効果を見て、墓場のコスト換算をしてみたいと思います。
《スケルトンファイター》
1コスト1/1→ネクロマンス1で2/2フォロワーになる
ネクロマンス消費後は2コストフォロワー相当になるので、差し引きネクロマンス1が1コスト相当になります。
《消えぬ怨恨》
2コスト2ダメ→ネクロマンス2で4ダメになる
4ダメ自体は、《魔女の雷撃》あたりを見ると3コストくらいかなと思うので、差し引きネクロマンス2で1コスト相当。
《ルーキーネクロマンサー》
ネクロマンス4で2/2フォロワーを出すので、ネクロマンス4は2コスト相当
《スカルライダー》
4コストフォロワー、ファンファーレ:ネクロマンス6で相手フォロワー1体に3ダメージ
《ドレッドドラゴン》が7コストフォロワーでスタッツがほぼ同じである点から、差し引きのコスト3がネクロマンス6に相当。
以上のように考えると、ところどころガバガバですが、ネクロマンス2=1コスト相当といった感じがします。
つまり《死を追う者》は他フォロワー進化時に1コストを生み出す
そう思うと「おお!なんかすごそう!」となります。
が、しかし!
ダークネス・エボルヴで追加されたの他の進化で効果が発動するカードを見てみると、
《エルフバード》→フェアリーを手札に加える。
《勇敢なる旗手》→1/1を場に出す。
《氷晶の魔撃手》→スペルブーストする。
《ムシュフシュ》→+2/+0する。
《ソウルミニデビル》→相手リーダーに1ダメージ、自分リーダー1回復
となり、《研磨の魔法》相当の《ムシュフシュ》を除くと、およそ1コスト相当の働きかなと見れるので、《死を追う者》も妥当な感じがします。
コストとスタッツが一番効果発動タイミングに合う?
3コスト2/3というスタッツは、上で挙げたカードに比べて、マナカーブ通りにプレイしていけば、順当に生き残った状態で進化開放時を迎えられ、進化時効果が比較的発動しやすいバランスになっています。
どういうことかと言うと、
2ターン目
自分(先攻)2/2出す。
相手(後攻)2/2出す。
3ターン目
自分(先攻)《死を追う者》出す。相手の2/2と自分の2/2を相打ち。
相手(後攻)3コスト相当の動きをする。
4ターン目
自分(先攻)4コスト相当の動きをする。
相手(後攻)進化権開放!進化して《死を追う者》の効果発動。
となります。ここで、注意しないといけないのは、3ターン目相手の行動です。ここで3コスト以下で出せる攻撃力3以上のフォロワーか、除去スペルが飛んでこなければ《死を追う者》は生き残ります。
3コスト以下の攻撃力3のフォロワーで良く見かけるのは、《エンシェントエルフ》や《ラピッドネクロマンサー》、《スケルトンナイト》くらいで(もちろん環境によって変動はありますが)、3コスト以下の除去スペルといえば《森荒らしへの報い》+《ベビーエルフ・メイ》、《ソウルハント》、《死の一閃》、《漆黒の法典》となります。
こう見ると、そこそこ生き残れそうな感じがしそうなしなさそうな。
そもそも、このカードが除去られるのであれば、《氷晶の魔撃手》以外の上で挙げたカードは除去されることになります。
まあ、《勇敢なる旗手》のような2コストフォロワーたちは、後攻4ターン目や先攻5ターン目に何かと一緒に出してそちらを進化させて効果を発動させる、といったことがやりやすい、というメリットはありそうですけどね。
このカードで何が変わった?
墓場が圧倒的に溜めやすくなりました。
もともと、ネクロマンサーというクラスは、ネクロマンスでコスパのいいカード効果を得るというコンセプトなんですが、いかんせんこれまでは墓場が足らないという状況が多かったです。
墓場が足りなければ、他の特徴あるクラスには力負けしてしまう状況に他ならないのでパワー不足は否めなかったです。また、《死の祝福》のような強力なカードに繋げるために、ネクロマンスを消費するカードはデッキに入れない、といったデッキ構築の幅も狭める結果となっていました。
そういう事情を踏まえ、ダークネス・エボルヴでは、墓地を序盤に増やす手段が増え、その一つがこの《死を追う者》という位置づけになります。
墓場が溜めやすくなる=これまでネクロマンス消費カードを抑えるために採用を断念していたカードの採用が視野に入ってくる、ということになります。
個人的に真っ先に挙がるのが《ワイトキング》です。ネクロマンス4消費の4コストカードということで、《死の祝福》に繋げるためには、邪魔な存在でした。ネクロマンス効果自体は+1/+1して必殺と守護を持つ、という一度冷静になって考えるとかなりの性能です。4ターン目までに墓場4溜めるのは、《スカルビースト》+《スパルトイサージェント》のような形でできなくはないです。
ここで4ターン目に墓場4をつかってしまうとその後どうなってしまうかですが、5ターン目に《死を追う者》と何か2コストフォロワーを出して、その2コストフォロワーを進化して盤面を取りに行きます。その後、相手ターンで進化して盤面を取り返してくることを願います。もし、想定どおりにいけば、《死を追う者》の効果が2回発動するので、墓場+4、《死を追う者》と2コストフォロワーが除去されることで、合計墓場が6になります。すると、次の6ターン目に《死の祝福》がネクロマンスしながら出せてしまいます。
《ワイトキング》以外でネクロマンス消費するものといえば、ダークネス・エボルヴで追加された《カローン》なんかも使い勝手が良いです。進化して《リッチ》が出れば、盤面に6/7と4/4が並ぶのでプレッシャーは大きいです。
少し別の運用例ですが、例えば《死を追う者》を2体盤面におくことができれば、すさまじい勢いで墓場がたまっていきます。ロマンはあります。
進化時効果の処理順
注意しなければいけないのは、《鉄槌の僧侶》や《ドラゴンウォーリア》のような進化時に除去できる効果があった場合に、対象にこの《死を追う者》が選ばれたとき、《死を追う者》の効果は発動されません。
個人的に腑に落ちないのですが、基本的にこのゲームの処理順は、割り込みの概念がないので、1つ1つ処理が終わるのを待ってから、次の処理を行っているようです。
つまり、
《鉄槌の僧侶》を進化→《鉄槌の僧侶》の進化時効果の処理をする→(《死を追う者》の進化時効果処理は《鉄槌の僧侶》の進化時効果処理が終わるまで待機)《死を追う者》を消滅→《死を追う者》はいなくなるので、《死を追う者》の効果は発動しない
となります。
似たようなもので、《ゴーストライダー》に《ウルズ》を打った場合にどうなるか問題があります。
《ゴーストライダー》はラストワードで場のフォロワーに守護を付与するのですが、なんとなく《ウルズ》で《ゴーストライダー》を選択したときに、《ウルズ》に守護がついて、新たに《ウルズ》の効果で《ゴーストライダー》が出てきて、守護が2体並ぶ!となりそうなんですが、実はそうではないのです。
処理的には、《ウルズ》の処理が終わるまで《ゴーストライダー》のラスワード処理は始まりません。ですので、
《ウルズ》で《ゴーストライダー》を選択→《ゴーストライダー》は破壊される→《ゴーストライダー》が召喚される→《ウルズ》の処理が終わったので《ゴーストライダー》のラストワード処理開始→場に《ウルズ》と《ゴーストライダー》がいるので、どちらかに守護を付与する
となります。ですので、50%の確率で《ウルズ》に守護がつき、50%の確率で《ゴーストライダー》に守護がつきます。……ややこしい。
きっとこの辺りの処理順は改善はされないでしょうね。《吸血鬼の古城》もなんとなくこのあたりが関係してテキスト変更したような気がします。
最後に
半分くらい《死を追う者》に関係ない話だったような気がしますが……
ネクロマンスが十分に発動できる!という状態は普通に強いです。やはり強力な効果であることは間違いないので。それがやりやすくなる《死を追う者》はかなり有用なカードだと思います。
とはいえ、最近ネクロマンス消費型のデッキは、秘術デッキに似ているなと感じました。墓場を溜めるカードばかり来ると事故という状態が、土の印をつくるカードばかりくるのと似ていて、墓場がない状態でネクロマンス消費カードばかりくる状態が、土の印がない状態の秘術効果持ちカードばかりくる状態。そう思うと、ネクロマンサーというクラスは……なんて思っちゃったりします。